「眠れる心の塔」CM

【塔の住人】編

    


 


     

竜となること ……それは孤独を意味する

望む者は 誰もいなかった……  そう……彼をのぞいては

     

    

   「遅かったな、待ちくたびれたぞ」  「え…?」
   「何という口を……! この方を誰だと思ってるんですか」
                                 「…真斗…? どうして……」  「約束しただろう」
                 「……これが最初の仕事なんですよ。あなたが竜になるためには……」
                 「分かっているさ。簡単な仕事でよかったよ」

   

        「ずっと 君に伝えたかったんだ……」
        「…真斗? ……真斗!」

    

あの時から この世界は時を刻みはじめた……

     

                「もう……もうあんたなんか信じない!」
                               「おとーさん……ななはうそつきなの?」
                           「ななは、ママのそばにいなきゃ」

「竜には力がある……竜は強い……こわいものなんかあるわけないだろう」

                 

                時を刻み…… いくつもの物語を終えること
                それは彼を現実世界から引き離し
                人であることから引き離してゆく
                時間にも 空間にも支配されない世界
                それが孤独を生むものだとしても
                ふくらんでいく竜の力を抑えるためには 必要なものだった

     

                      「……何言ってるんですか……そのために僕がいるんですよ……」
                                 「セイお兄ちゃん……いなくなっちゃうの……?」
        「いなくなったりしませんよ…… 目には見えなくても、僕はずっとななちゃんの側にいます」

     

                                 「私はどうしてここにいるの……」

                                 ここにいなくては お前の存在する意味はないじゃないか

                                 「もう……ここにしかいられないの?」 

     

いつわりの言葉  その存在が意味するもの

そして  その物語が意味するもの

        

                                            「……そろそろ僕の出番かな?」

     

                 眠れる心の塔  そこは  竜に創られし世界

                 秘められていた想いはかたちとなり 彼等を目覚めさせる

                 そして 竜は天へと昇る   彼等を導くために

                      彼等の物語を はじめる
                               終わらせる ために

     

                   すべての心は それぞれの未来へと還っていく
                             それぞれの居場所へと還っていく

    

竜の世界  それはひとときの夢 忘れ去られる物語
本当の想いは こころの奥底だけに残される

眠れる心の塔

そこは 眠ったこころが目覚める場所

     

     

さあ 物語を始めようか ――――

      

     


 

   

   

Back     Top